言論の力、これが最強の武器と坂戸の個別指導塾、フロンティアは考えます
2021/03/06
エーブラハム・リンカーン2
前回の続きです。
リンカーンが奴隷制度を撤廃するため、南北戦争に勝利してアメリカを一つにまとめるという偉業を成し遂げた原動力の一つは、彼の言論の力にあった。演説に臨んでは、明確な事実を羅列して理路整然と論を展開。わかりやすい言葉や例えを用いて、人々を感動させた。そして、悪意のある誤った主張に対しては舌鋒鋭く反撃した。
何より彼は民衆から愛されていた。人種や立場を問わず、誰にでも胸襟を開き、対話を通じて心を通わせた。かの文豪トルストイも「全世界を包み込む人道主義者だった」とリンカーンを称えている。
彼が見据えていたのは、目先の課題だけではなかった。「我々は連邦を救うだけにはとどまらない」「後に続く数百万の幸福な自由人と世界中の人々は立ち上がり、末代までもわれわれを称賛するだろう」と遠い未来に及ぶ人類の利益を実現しようとしていたのだ。
彼の理念は、およそ1世紀半の時を経て、分断にゆれる近年のアメリカ社会や世界各国の人々にとって、ますます千金の輝きをはなっているといえよう。